乙女ときどき予知者




「でもまぁ……今から叩き込めばイケるでしょ?」



「まだ時間……」



―……ピンポーンパンポーン。


《これから開会式を始めます。全校生徒は体育館に集まってください。》


叩き込む時間はない。



放送がそう告げた。



「さぁーて行きますかぁ!」



明るく真士先輩が椅子から立ち上がった。



『はいっ!』



「いよいよだぁ♪」



「麻理菜も行くぞ?」



「はぁーい」



宙先輩に言われ、渋々立ち上がる。



仕方ないなー



『何かあったらアリスに任せな?』



あたしがそう言うと不安そうな表情は消え去った。



「任せたぁ!」



麻理菜は嬉しそうにあたしに飛びついた。