あたしは心奈みたいに美人じゃない。 梓みたいに何年も一緒にいるわけでもない。 あたしには、彼を引き留める要素がない。 だから不安になるの―……。 「お前がそう言うと治らなくてもいいやって思えてくる。お前はすげーよ?」 『本当?嬉しい。あっ、課題やらなきゃ!じゃ切るね?』 「あぁ……また明日な」 ―……ブツ。 ちらっと、時計を見た。 1時間も電話してた……。