乙女ときどき予知者




宙side★



4限の授業中。


―……ガタッ。


「んー鈴宮、どうした?」


いきなり梓が椅子から立った。


『……梓?』


「……いく」


「は?」


……どこへ?


俺を含め先生やクラスメイトが梓に注目した。


「真士のところへ……」

そーいや真士のやつ2限からどっか行ったなぁ。


「でも今は授業中だぞ!?」


必死で梓を止める先生。

こーなったら誰にも梓を止めることは出来ない。

「今回だけは許して!」

勢いよく教室を飛び出した。


強く押された先生は押された弾みでその場に座り込んだ。


「待ちなさい、鈴宮!!」

『おいっ、梓!?』


俺は優等生らしく先生に駆け寄った。