行くしかない……!
『悪いけど、もうちょっと頑張って!』
あたしは宙の手首を掴んだまま、教室を出た。
「梓っ!」
後ろを振り向くと彼が駆けつけた。
『真士!ハゲに保健室行くって伝えて!?』
「分かったから早く行けっ!!」
『ありがと!』
あたしは保健室へと急いだ―……。
―……。
「……熱はないね」
りっちゃんが体温計を持って頷く。
『はぁ〜……良かった!』
「……どこがだよ……」
声ちっさ……!
『弱りすぎでしょ』
「まぁまぁ、今井クンも頑張ったんだから」
りっちゃんは困ったように微笑んだ。
理子先生。
あたしたちと入学した2年生。
りっちゃんは保健の先生の中では、珍しい若い先生だ。

