乙女ときどき予知者




俺はベッドから体を起こし、真士を見た。



「……宙……生きるのに目的は必要ないんだ。人間が過去に戻れないのは、その失敗を活かして次に進めって事なんだと、俺は思うんだ。後悔しないために現在(いま)を生きるんだよ。」



悔いのない生き方……。


「過去よりもっと楽しい過去を作ることが生きるって事なんじゃねーか?そのためには現在を楽しい思い出でいっぱいにしなきゃいけねーんだよ。その後は、分かるだろ?」



あぁ……分かるよ。



「……だいじょーぶだよ?何があっても、時間がいくら経っても、宙は宙のままだし……あたしたちはずーっと宙のこと大好きだよっ!!」



梓はさっきまで泣いてたのに……今度は笑ってた。



俺は知ってる。



お前らは最高の幼なじみだよ―……。