乙女ときどき予知者




理由なんて分かっていた。



「俺は人を殴るためにジムに通わせたわけじゃない。この手は困ってる人を守るためにあるんだ。分かったか?」



俺はコクりと頷いた。



「悪かったな……宙」



悲しげに親父は俺の頭を撫でた。



―……それから学校を休むようになった。



親父は理由を分かっているせいか、無理に行かせようとしなかった。



親父はいつから知ってたんだ……?



俺は誰だ……?



本当の親父の顔を知らない……覚えてない。



会いたくない……。



誰にも会いたくない……。



俺なんかほっといてくれ……。