乙女ときどき予知者




「なら、話が早いわね。宙はあたしの息子よ。宙は連れていくわ」



なに……言ってるんだ……。



……開き直ってるんじゃねーよ。



散々、親父を裏切りやがって……。



―……ガンッ!



『ふざけんなっ!!出ていくならテメェーだけ出て行けっ!!』



俺は母親を殴った。



小3までボクシングをしていた俺は殴るなんて容易くできた。




―……バタンッ!



母親は悔しそうに荷物を持って出ていった。



『……ハァ……ハァ……』



「……宙」



―……バシッ!



俺は親父から平手打ちを食らった。