乙女ときどき予知者




「宙、お前の血液型はAだ」



「じゃあ証拠でもあるわけ!?」



母さんは声を張り上げた。



いつも優しくて穏健な姿見てきた。



でもそれもすべて嘘。



「あるに決まってるだろ。お前、俺が医者だってこと忘れてないか?宙の血液型は産まれたときに調べてあるんだよ……」


「そんなこと一言も……!」



「聞かれたら答えるつもりだったさ。でもキミは聞かなかった。それは恐れていたんじゃないのか?AかABになることを……」



『……どーゆう……ことだよ……?』



「俺はO型、みかはB型。つまり、俺たちからA型は産まれない」



親父は俺のデータ表を差し出した。



そこには確かに"A型"と書かれていた。



『じゃあ俺の本当の親父は……』



「そうよ……」



数ヵ月前、俺が見たあの見知らぬ男が……。



本当の親父―……。