乙女ときどき予知者




「まぁ暗くなるなって!これやるからさっ♪」



そう言って真士はポケットから飴を取り出した。


俺の好きな飴……。



『二人ともありがと……』



二人は顔を合わせ照れくさそうに微笑んだ。



それからは母親を避けるように生活した。



俺が親父に黙っておけば、これまで通りの生活が出来ると思い込んでいた。


だから言わずに反抗期に見せかけて、二人と出来るだけ距離を置いた。



でもそんな偽りの生活は、そうそう続かなかった―……。