乙女ときどき予知者







「お母さんとケンカしたのか?」



ぶんぶん首を横に振った。



ある意味ではあってるけど違う。



『……家に違う男がいた……』



「「えー!!」」



一斉に声をあげた。



「えっ!?ちゅーしてたぁ!?」



俺は静かに頷いた。



「それってあれじゃん!!浮気だよ!?」



「梓声でかすぎだし、それ浮気じゃなくて不倫だから」



「何が違うの?」



浮気だろうが不倫だろうがそんな言葉の違いなんてどうでも良い。



母親が親父を裏切ったことには変わらないがない―……。



「ごめんね?大きな声だして……」