宙side★



―……小4の時。



俺の母親は美人で優しくてよく自慢してた。



近所でも有名だった。



"良い奥さん"だって。



でもそれもすぐに消えてしまった―……。



『ただいまー』



いつも通り学校から帰り、3人で遊ぶ約束をして玄関の扉を開けた。



母親の靴ともう一足靴が置いてあった。



もしかして今日は親父が早く帰ってきたんだと思った。



靴を脱ぎ、リビングに向かった。



本来、ここで気づくべきだった……。



俺が帰るといつも玄関に顔を出す母親の習慣を―……。