乙女ときどき予知者




「だから梓と真士のケンカが分かってたんだな……」



宙はあたしに手招きした。



『……?』



あたしは宙の隣に座った。



「お前は人と違う力を持っていて、きっといろんな苦しみを味わって来ただろ?だけどもうひとりで苦しまなくていい。どんな力を持とうとお前はお前だ……それはなにも変わらない。俺の気持ちも……これからは俺がお前を守るから……」



涙が止まらない……。



"守る"なんて言われたら嬉しすぎるよ―……。



「だから……俺を頼ってくれよ……」



『あたしは宙と隠し事したくないから……宙も教えてほしいの……お母さんのこと……』