乙女ときどき予知者




宙side★



ボロボロ瞳から溢れる涙。


「よかった……別れようって言われるかと思ったぁ……」



そう言って彼女は流れる涙を拭いた。



拭いてもまた次の雫が落ちていく。



微笑んだ顔は華のように綺麗で儚く、今にも消えてしまいそうだった。



『別れるわけねーだろ。なんでそんなこと考えるんだ?』



別れるなんて―……。



「だってだって!!……付き合ってからそんなに日が経ってないから気が変わっちゃったのかと……」



彼女はゆっくり俯いていった。




悪かったな……。



心配かけちまったな……。



でも……。