乙女ときどき予知者




―……ピンホーン。



鳴らしてしまった……!


ゴクリと唾を飲む。



―……ガチャ。



しばらくすると扉の間から宙がひょっこと顔を出した。



「あっ、麻理菜。入って?」



ニコリと微笑み、扉を開けてくれた。



『うん』



そういえば…… 宙のうちに入るの初めてだ……。


梓の家に行くときいつも通るけど見るだけ。



いつか入れたら……。



―……いつかあの扉の先を覗いてみたい―……。



―……でもそれは夢のまた夢だと思ってた……。


まさかこんな早く夢が叶うなんて―……。



夢にも思ってなかった―……。



あたしたち両想いになれたんだ……。



全然実感が湧かないや……。