乙女ときどき予知者




俺は麻理菜を引き寄せた。



『帰りたくないな……』


俺の中にすっぽり収まって落ち着く。



「ずっと一緒いたい……」



心臓がうるさく鳴り響く。



―……ドクンドクンドクン。



それは麻理菜も一緒だった。



嬉しかった……。



同じ気持ちなんだって分かって……。




―……ザザァー。



数少ない葉っぱたちが今にも落ちそうに揺れ動く。