乙女ときどき予知者




「うん!アイス好き♪宙はこっちね?」



そう言ってコンビニの袋を渡された。



中を見ると肉まんが入っていた。



『あっ、お金返すよ。いくらだっけ?』



「いらないっす!あたしの好みであんまん買いそうになっちゃった。でも宙は甘いもの好きじゃないって言ってたなぁって思い出したんだ!!」




「えへへっ」と彼女は恥ずかしそうに笑った。



俺もつられて笑ってしまった。



『そんな昔のことよく覚えんてんな』



俺がそう言うと麻理菜は瞳を大きく見開いた。



「そりゃ覚えてますよ!!大事な情報ですから!!」


なぜかこいつテンション上がると敬語に戻るんだよな。



「これからもたくさん情報くださいね!?」



情報ってなんだよ。



『思い出の間違いだろ?』




急に彼女は頬を赤く染めた。