乙女ときどき予知者




宙side★



彼女は走ってどこかに行ってしまった。



知らない人についていかねーよ。



俺は子供かっ!



つーか先輩だってこと忘れてるんじゃね?



夕暮れの公園。



ヒラヒラと揺れ落ちる落ち葉たち。



誰かいそうなのにいるのは俺だけ。



ひとり……。



あの頃を思い出す。



―……ピタッ。



『つめてっ!』



顔をあげると麻理菜が立っていた。



彼女はアイスとコンビニの袋を持って微笑んだ。



『さみーのにアイス食うの?』



秋の冷たい風が俺らを包み込む。