乙女ときどき予知者





「宙……あの時はごめんなさい……あたしもどうかしてた……ねぇ……もう一度一緒暮らしましょ?」



昔の記憶がフラッシュバックされた。



やばい……体が震えてきた……。



麻理菜がいるのにカッコわりぃー……。



気持ちは高まるばかりで一向に震えが収まらない。



やめろ……そんな笑いかたすんな。



気持ち悪い……。



誰か……助けてくれ……。



―……ギュッ。



麻理菜はコイツが誰なのか、今どんな状況が分からないはずなのに……。



握っていた手を強く握った。



―……"大丈夫?"



言葉を交わしていないのに伝わってくる。



俺も強く握り返す。



―……"大丈夫"って。



おかげで俺は正気を取り戻した。