乙女ときどき予知者




俺はお前が笑ってくれるなら何もいらない……。


麻理菜が隣にいてくれればなんだって乗り越えられる……。



お前もそう思ってくれてたら嬉しい……。



お前を守ってやるから……二度と怖い思いさせねーから。



人は幸を求め生きるくせに必ず辛もついてくる。


「……宙?」



俺が間違えるはずがねー……。



昔よく聞いた大嫌いな声。



正面を見るとそいつは立っていた。



『今さら……何の用だ』