乙女ときどき予知者




唇は離すと彼女は顔を真っ赤にさせた。



『……お前は可愛いよ』


あえて聞こえないようにボソッと言った。



ここはゲーセン。



賑やかで聞こえてるかどうかなんて分からねぇ。


だけど彼女はニッコリと微笑んだ。



どうやら聞こえてしまったらしい。



『ほら、行くぞ』



それが分かり恥ずかしくなった。



俺が歩き出すと麻理菜は「えへへ」と笑って隣を歩く。



俺は麻理菜の手を握り『何かあった?』と聞くと彼女は「なんでもない♪」って言ってギュッと握り返した。