乙女ときどき予知者




「ねぇねぇあの人ちょーカッコよくない!?」



「あの制服って雫高じゃない?」



「頭良し顔良しじゃモテるだろうね!!」



「あの子彼女かな?」



「彼氏カッコイイのに彼女微妙じゃない?」



後ろから数人の甲高い女の声がする。



うぜー……。



あいつら目腐ってるんじゃねーの?



コイツは十分可愛いし。



彼女を見ると俺と同じくアイツらの話し声が聞こえたらしい。



話を気にして俯いている。



チッ……。



俺の彼女を傷つけたな。


『……麻理菜』



お前らに見せつけてやる。



「あっ、ごめ……んっ!」



見上げた不意に俺はキスをした。