乙女ときどき予知者




「明日俺んち来るか?」


『えっ……?』



「……帰るぞ」



そう言って宙はあたしの髪をくしゃくしゃにした。



『うわっ……ちょっ……ボサボサしないでよ!?』


「知らねーし」



「クククッ」と笑いを堪える宙。



『宙がやったんじゃん!!てか、そんなに笑わなくても……』



慌てて髪を直す。




―……ガラッ。



「あっ、どうだった?」


「おかえりー」



「一発に決まってるんだろ」



自慢げに企画書をヒラヒラさせる。



「じゃ帰ろうか?」



「あっ、悠樹待つんであたしが鍵締めます」



『今日早いの?』



「うん」



「心、不審者には気をつけるんだよ?」



「大丈夫だよ」