乙女ときどき予知者




風にかき消されるほど小さな声で言った。



風に流すように―……。



「今、真琴なんか言った?」



なびく髪を押さえ、彼女は真琴を見る。



『ううん。そろそろ降りよっか?』



「うん!」



雲一つない青空。



今頃キミは何をしてる―……?



元気にしてる―……?



真琴のたった一人の親友―……。



―……ねぇ、紗知。



イジメがなかったら今でも真琴たち、親友だったのかな―……。



大好きだったよ―……。


「まことー?置いてくよ?」



『あっ、待ってよ!!』



この気持ちがキミに届くといいな―……。



気持ちも一緒に風が乗せていってくれることを信じてるよ―……。