乙女ときどき予知者




「むかつくなんてあんまりよ……!」



「この人でなし……!」


また不思議なノリ。



二人して扉に向かう。



まだ、真琴が目を覚ましていないのに。



『帰るの……「「追えや!!」」



同時に振り返り、そう言った。



―……ブチッ。



「やりすぎたかも……」


「めっちゃ顔、恐い!」


無言でズカズカ二人に歩み寄る。



そして……



―……グイッ。



『テメェーらいい加減にしろよ?人が親切に注意してんのに「追えや!!」じゃねーんだよ!?このバカどもが!!』



「うっわーキレ方誰かさんとちょーそっくり!遺伝子って恐ろしい。ねっ、兄さん♪」