「行くぞ」
目の色を変え梓はニヤッと笑い、俺に向かってくる。
あー完全スイッチ入ったな。
まぁいいや。
―……シュッ。
「……うっ!」
―……ガラッ。
「……どうしたの?」
ちょうど入ってきた親父たちが目を丸くする。
まぁ当然だ。
梓が柔道で鍛えた立派な足は、俺をすり抜け後ろにいた真士に当たったってわけ。
俺はボクシングやってたから交わすことなんてお手のもの。
一方、真士は陸上で鍛えた瞬発力があるもののまさか俺が避けると思ってなかったらしく梓の蹴りはクリーンヒット。
うずくまった直後に入ってきたわけだ。

