乙女ときどき予知者




―……病院。



「目を覚ます頃には記憶も戻ってるだろう……」


『分かりました』



桜木先生は病室を出ていった。



「真琴……辛いだろうね」



『多分倒れる前、同じことされたんじゃないか?』



「嘘だろ……?」



「じゃあ傷つけたのは紗知ってこと?」



真琴と一番仲良かったのは木下だ。



「真琴チャンの話を聞かないと何も言えないな」



『そうだな』



「そーいや星那チャンに連絡しなくていいの?」



『親父がしてる』



「おじさん帰ってきてるんだっけ?」



『しばらくはこっちにいるってよ』



「そっか、真琴喜ぶといいね!」



「真琴チャンはどうだろうな」