乙女ときどき予知者





―……今、"記憶喪失"なんだってね。



ある日、突然紗知チャンが放った言葉。



窓越しからチラつく雪を見ていたあたしは、どう返したら良いか迷ってまった。



素直に頷いて良いものなのか。



でも言ってしまったら彼女を傷つけてしまうんじゃないか。



それが心配だった。



日が経つのは早く3ヶ月が経過し、季節は冬になった。



「いつから?」



さっきまで壁に寄りかかって紗知チャンはあたしの隣にきた。



いつも弾けている紗知チャンが真剣な眼差しであたしを見た。