乙女ときどき予知者




『……迷惑かけてごめんなさい』



「いいのよ。家族だもんゆっくり休んでね」



『うん』



―……バタンッ。



"家族"



頭の中で繰り返される。


嬉しくなって布団にもぐった。



きっとあたしは幸せだったんだろうな……。



大切にしてくれる家族がいて……。



このまま記憶がなくてもいいなって思ってた。



大切な人が泣いてることも気づかずに―……。