やっぱり今日行かせるのは不味かったか……。
せめても記憶が戻ってから行かせるべきだったかもしれない。
きっと今の真琴はわけも分からずイジメにあって混乱しているはずだ。
『真琴は今、記憶がないんです。自分の名前や俺たちや親の名前さえ忘れてしまったんです……』
「記憶喪失?だからイジメられたきっかけを忘れてしまったのね……いつ記憶喪失に……?」
『2週間ほど前です……』
「そう……早く記憶が戻るといいわね」
先生の瞳は潤んでいた。
『記憶喪失の原因が学校なら記憶を戻すにも同じ場所の方がいいですよね?』

