乙女ときどき予知者




検査を終える頃には記憶のない生活に慣れていた。



「特に異常もなそうですし、このまま退院しても大丈夫でしょう」



「ありがとうございます」



お母さんと先生は嬉しそうにしているけどあたしは……。



「真琴良かったね♪」



「退院おめでとう」



抱きつく梓チャン。



嬉しそうに微笑む真士クン。



『……うん。ありがとう……』



あたしも笑ってそう言った。



また宙クンも同じことを言うと思ってた……。