乙女ときどき予知者




「だな!敬語はなし、いいな?」



「ありがとう……」



ニコッと微笑んだ。



少しずつ分かっていけばいい。



それから俺らは色んなことを話した。



ただし、学校の話を避けて。



多分それは梓も真士もあえてそうしたんだろう……。



これだけは言ってはいけない。



そんな気がしたから……。



イジメにあっていたならなおさら言えない。



それからしばらくすると親父たちが戻ってきた。


星那姉さんの目を見ると少し赤くなっていた。



どんなに仕事が忙しくても真琴の面倒をしっかりみてきた。



俺たちより苦しいに決まってる。



たくさん教えたい。



そう思ってるに違いない。



『梓、真士、帰るぞ。』


「えーなんで?明日日曜日だよ?」



「……。」



真士は俺の目を見た。



コイツが黙って目を見るときは何か考えてるときだ。


「そうだな!梓帰ろうぜ?どうせ2、3日は入院だろうし明日来ればよくね?」



「センセーそうなの?」



「……まぁそうだね。また検査して様子みていくからね」



『そーゆうことだ。帰るぞ、さっさとゲーム片付けろ』



「あーボス倒さなきゃ!」