乙女ときどき予知者




『最近人気が上がってきた今、自分のせいでスキャンダルを起こすわけにはいかない……』



「真琴の存在は業界には公表されていない……」


「じゃあせめてあたしたちに言ってくれればよかったのに……」



「でもそれをしなかった……」



『真琴は一人で耐えてきた……強いやつだよ』



「今度は真琴を守る番だな」



明るく親父は言った。



『あぁ』



「まかせとけっ!」



「おう」



今の俺たちは自信に溢れていた。



―……現実を知らぬまま。