乙女ときどき予知者




「これは保健の先生から聞いたんだけど、かなり弱ってたみたいなの。よく寝に来てたって言ってたよ。ある時期から……」



俯く梓。



ある時期から……つまり、イジメが始まってからだな……。



「よく保健室には行ってたみたいだけど早退はしていないんだ……」



多分担任から聞いたんだろう……。



「でもなんで早退はしなかったんだろ……?」



頭を傾げる二人。



だが、俺たち身内の者はそれが分かっていた。



「心配させたくなかったんだろう……星那(せな)に」



親父も俺と同じ答えだった。



「星那?」



「誰?」



コイツら二人は知らないんだ。



『お前らモデルの"SENA"って知ってるか?』



「あー知ってるー!!最近有名になったよね♪」



「StarRibbonの雑誌のやつ??」



真士もなんとなく知っているらしい。



『その人が真琴の母さんだ』



「今井星那は私の実の妹だ」



「「……えー!?」」



耳いてぇー……。



『ここ病院だから静かにしろ』



「今思えば親子似てるかも!?」



「確かにおじさんと似てるな」




真士はともかく梓うるせー……。