乙女ときどき予知者




そして紗知は真琴にこう言った。



「ボケっとすんな。倉庫にさっさと入れよ」



その日はいつもより紗知がイライラしていた。



生きて帰さない……そんな勢いだった。



紗知がイライラしている日はイジメもひどいくなる。



今日はその日だ。




―……バタン。ガチャン。



「さぁ始めようか。あたしの可愛い真琴チャン♪」



鍵を閉め、扉に寄り掛かり真っ黒な笑みを浮かべてそう言った。



『や、やめて!』



そう言うしかなかった。


手にはバスケットボールを持っていたから―……。