麻理菜side★
―……ガチャ。
『真琴……?』
「……こっちだよ」
上を見上げると真琴の姿があった。
あたしもはしごを登り、屋上の2階へ行った。
―……ザァーー。
秋のそよ風が舞踊る。
あたしたちの髪がそよ風とともになびく。
体育座りをする真琴の隣に同じように座った。
『真琴の髪きれいだね』
「……ん」
『えっ?』
真琴は顔を上げずにカメラだけ差し出した。
「自分で消せば?」
心奈の推測は当たっていた。
やっぱり真琴が持ってたんだ……。
『ありがとう!』
あたしは真琴からカメラを受け取った。
「この髪はひーくんに守ってもらった髪なの。」