乙女ときどき予知者




「……知らない」



「まだうそつく気?」



冷たく投げ掛ける心奈。


「知らないってば!!」



屋上に走る真琴を止めようとする心奈。



『心奈!』



心奈はピタリと足を止め、あたしを見た。



あたしは首を横に振った。



追っちゃダメって。



『あたしが話してくる。もともとあたしたちの問題だから』



「麻理菜……」



心配そうに見る宙先輩。


『大丈夫!!』



安心させるため明るく言った。



みんなが見守る中屋上の扉の前に立つ。



あたしは自分の力で開けるんだ。



写真は返してもらう―……。