「バレバレだっつーの!」
そう言って心奈は女子の襟を持ってズリズリ引きずって帰ってきた。
「真琴!?」
「は!?」
『真琴?』
「真琴じゃん!」
「誰?」
「今井真琴。宙先輩のいとこよ。理由は知らないけど実口と組んで今回の事件を起こした」
「そーなのか?」
「……。」
一番バレてはいけない人にバレてしまった。
「真琴!!いい加減にしろ……」
真琴に怒鳴る宙先輩。
みるみるうちに涙が溢れる。
真琴はあたしと同じようにただ先輩のことが好きなだけなんだ。
「っ……こんなの……はじめて……」
顔を隠し、声を殺して泣く真琴。
「アンタ偶然通り掛かっただけとか言ってたけどそれもうそだったのね。アンタでしょ。カメラはどこやったの?」

