乙女ときどき予知者



「あっ、いや……なんでもない!」


言ってくれないんだ……。


それもそうか。


今日会ったばっかりだもんね。


いつか言ってくれたら良いなぁ。


「それで解決策の話何だけど」


『どうしたらいい?』



どうしたら……キミは許してくれる―……?


「解決策は……」


解決策は―……?



「梓自身……」


はぁ?


『あたし!?』


「それからはじめっから策なんてないよ。」


……ない?


『じゃあ……あたしは何を……』


「相手に気持ちを伝えるの。梓自身の想いを大事な人に。気持ちは言わなきゃ伝わらない」


想いを伝える……。


じゃあ真士には伝わってなかった。


あたしの頬に涙が伝う。