乙女ときどき予知者




体を離し彼はそう言った。



やっと……。



やっと届いた―……。



『……宙先輩……』



「お前は……」



―……ギュッ。



あたしは先輩に抱きついた。



『……好きです……ずっと前から好きでした……宙先輩……』



「……下がってろ」



えっ?



体を離された。



そして背後から声が聞こえた。



「テメェーらまじふざけんな。先輩共々ぶっ飛ばしてやる!」



立ち上がる帝雅。




「いい度胸だな。良いだろう。先公に突き出してやるよ」



宙先輩も立ち上がった。


やり合う気だ。



『宙先輩……』



「大丈夫だ。お前は離れてろ」