乙女ときどき予知者




―……バタバタバタ!



懸命に操った足も笑い出す。



―……ドタンッ。



足と足が絡まり、よろめいて倒れた。



『……ハァ……ハァ……』



このあとどうしよう……。



恐怖から逃れたくて宛もなく走ってきてしまった。



「柴咲っ!」



座り込んでいると前から一人の男子が駆け寄ってきた。



『佐藤クン……』



「柴咲そんなことに座って何してんだ?心奈は一緒じゃないのか?」



クラスを見ると1−Cと書かれていた。



佐藤クンってD組だったんだ。



『心奈は……教室にいるよ』



「お前は教室行かねーの?」



佐藤クンは優しいなぁ。



あたしのことも心配してくれて……。



本当にお似合いのカップル。