乙女ときどき予知者




「そうだよ。だって欲しいものは欲しいだもん。それが人のものだって構わない。それにひーくんはアイツなんかに渡さない。もしアンタみたいに美人だったとしても握り潰す。」



鋭い目つきであたしを睨んだ。



コイツ……正気じゃない。



本当に麻理菜を潰す気だ……。



そんなこと絶対させてたまるかよ!



あたしはあることを気づいた。



『アンタその傷……』



―……バシッ!



あたしがそう言うと真琴は慌ててあたしの手を振り払った。



まるでバレていけないことのように。