乙女ときどき予知者




『もう怖かった……』



思い出すだけで泣きそう……。



「……予知は?」



心奈がコソッと聞いてきた。


『ううん、なかった……』



「ふーん。先輩みたく珍しいね」



『予知なき出来事ってやつ?』



あたしもコソッと返した。



「あのヤローぶっ潰す!!教室行けば会えるかな?」



ボキボキ指を鳴らす梓。



「あーキレたな」



「えー止めるべき?行かせるべき?」



「行かせてたら間違いなく真士先輩のせいで停学になりますよ?」