乙女ときどき予知者




「何してるの……?」



真琴の声……?



「見たらわかるだろ!」


あっ、力が弱まった。



逃げるなら今だと思った。



―……ドンッ!



足で帝雅の腹を思いっきり蹴った。



「うっ!」



その場に彼は苦しそうに腹を抱え動かなかった。



隙を狙って帝雅から逃げた。



『ありがとう!』



お礼を真琴に言い残し廊下を走った。



真琴が笑ってることも知らずに―……。



そして、この日復讐者が生まれたことを―……。