乙女ときどき予知者




好きでもないのに気持ち悪い。



―……ドンッ!



『ッ……離してっ!!』



あたしは帝雅を突き飛ばした。



「本当は感じたんじゃねーの?」



ニヤリと笑みをこぼす帝雅。



こんな帝雅見たことない……。



―……バタンッ!



押し倒された。



どうしよう……。



体に力が入らない……!


「ハァハァ」言いながら迫ってくる帝雅。



怖い……!



『お願い……離して……おねがい……だからぁ……』



怖い……怖いよ……。



助けて……心奈……宙先輩……!



―……バンッ!



閉まっていたドアが開いた。