あたしはまだこの時気づいていなかった。 この風は嵐と言うなの闘いが始まっている合図だったということを。 強い風が吹いてカーテンが激しく揺れ動く。 『えっ?ごめん聞こえなかった!!俺が好きなのは……あっ』 ―……チュッ。 帝雅にいきなりキスをされた―……。 すぐに唇は離れた。 何が……起こった……? 分かんない……頭の中が真っ白で何も考えられない。 「俺が好きなのは……麻理菜だよ……明るくて、誰にでも親切で……好きだ……付き合ってくれないか?」