乙女ときどき予知者




『さっきは助けてくれてありがとう』



「あ?いいよ。気にしなくて。当然のことだし」


ニカッと笑った。



なんでこんないい人なのに……



『なんで彼女いないの?』


「……えっ?」



『だってこんなにカッコイイし性格だって良いのに……帝雅を好きな女子たくさんいるよ?』



同学年、先輩、他校の女子。



両想いなる確率はいくらでもありえる。



「好きでもない女子なんか必要ねーよ。俺が好きなのは……」



―……ビュー!!



開いていた窓から強い風が帝雅の言葉を邪魔する。