乙女ときどき予知者




―……ガラッ。



「何やってんの?」



「なんだ……帝雅かよ。ビビるじゃん!」



「帝雅もやるか?女子のランク付け」



「はぁ?やるわけねーだろ」



「……げっ!」



帝雅は一歩横にずれた。


そうすれば何が見える?


『人の顔見て「げっ!」はないでしょ!』



教室に入ったときは目の前に帝雅がいたから見えずに気が使ったのだろう。



「お前ら小学生か。ここ進学校だぞ?恥ずかしくねーの?」



『あと心奈はあげないし佐藤クンもいるから諦めてよね!!』



あたしは男子たちをバカにするように舌を出した。



「さっさと帰って勉強しろ」



「……チッ」



男子は教室を出ていった。



正確には追い出したんだけどね!