突っ立てると止まった手の上に大きな手が重なった。
『えっ……?』
見上げるとそこにいたのは……
『……帝雅』
帝雅(たいが)は静かにと言わんばかりに人差し指を自分の唇の前に当てた。
大きな手からは「大丈夫だ」と言われてる気がした。
それだけで不安もどこかへ吹っ飛んだ。
「……開けるぞ」
帝雅は耳元で囁いてわたしはコクリと、うなずいた。
人が孤独を選ばない理由が分かったよ。
だってあたし1人だったら教室に入る勇気なんて生まれなかった……。
でも帝雅がいてくれたから入る勇気が生まれたんだよ……。
心から感謝してる……。
ありがとう―……。

