麻理菜side★



『……ハァ……ハァハァ……』


どうしよう……!



「……麻理菜待って!」


―……ガシッ。



あたしより足が速い心奈にすぐにつかまった。



「……ハァ……いきなり……どうしたの?」



そりゃいきなり走り出したら誰でもびっくりするよね。



『……たの……宙先輩が怖かったの……』



好きなのに……。



「麻理菜が本当に怖いのは先輩じゃなくて"真琴"の存在でしょ?」



そうだ……!



宙先輩は見るとあの子の顔が浮かんできた。



あの子の存在が怖かっただけ。