……その日の夜。
俺は予習を終え、あくびをしていると。
―……バターン!
「ひろーどうしよぉー!!」
いきなり梓が部屋に入ってきた。
しかも泣きながら。
コイツが泣くことはそうそうない。
昔、何で俺らとつるんでるんだって女子からいじめにあってたけど泣くどころかキレて解決した女だ。
「また痴話喧嘩か?」
梓と真士の家が俺の家の両側にある。
そのせいかケンカすると、こうやってどちらかが俺んちに来て俺を巻き込む。
俺にとってはいい迷惑だ。
いつも片方が俺のもとへくると言ったけどたまに時間差で二人とも来たこともあった。

